摩擦摩耗試験 摩擦摩耗試験の環境設定 摩擦試験方法 装置の仕様 摩耗試験結果の一例 結果ご報告までの流れ 近年、使用環境の劣悪化やメンテナンスフリー化により機械部品の長寿命化やトータルコストダウンの課題が急増しています。 駆動する機械部品のほとんどが潤滑、摩擦、摩耗、焼付きなどの現象と深く関わっており、部品設計においては低摩擦、低摩耗、表面損傷の低減が重要なポイントとなります。 また相手材との相性や使用環境(ドライ、ウェット)によっても摩擦摩耗特性が異なることが多いため、今後はトライボロジーの科学と技術から機械部品を設計することが重要になってきています。 現在使用されている材料の組み合わせや新たな組み合わせで、摩擦摩耗特性を調べてみませんか? 課題を解決するヒントや新たな発見が生まれるかもしれません。 摩擦摩耗試験の環境設定 摩擦摩耗試験は、できるだけ実際の使用環境に近い設定で行うことが望ましいです。 ドライ(無潤滑)、ウェット(液中)、温度、面圧、回転数、時間、摺動距離等の諸条件を調整し、使用環境を再現することで、最適な素材の組み合わせを検討できます。 摩擦試験方法 試験方法は、大きく分けて「ドライ(無潤滑)」と「ウェット」の二種類に分かれます。 ドライ(無潤滑) ディスクに、ピン ・ボール・リングを押し付けて回転摺動させることで動摩擦係数を測定します。 ピン or ボールを用いた場合は試験初期は点接触で、摩耗の進行とともに接触面が変化します。 リングを用いた場合、接触面積はが変化しません。 ドライ(無潤滑)での試験の場合、摩耗粉がディスク上に残るため、摩耗粉が摩耗を加速させる場合があります。 Pin on Disk Ball on Disk Ring on Disk ウェット ウェット式ではカップに腐食液(水道水、純水、海水、塩水等)や潤滑剤(タービン油等)を注入し、 ディスクにピン 、ボール、リングを押し付けて回転摺動させることで動摩擦係数を測定します。 液温をクーラーで冷却(例:10℃)、ヒーターで温調(例:60℃)することも可能です。 ウェットでの試験の場合、摩耗粉は液中に分散されます。 Pin on Disk Ball on Disk Ring on Disk 装置の仕様 荷重 0.5 ~ 30 ㎏ f 負荷方法 ステップ負荷, ランプ負荷 回転数(しゅう動速度) 30 ~ 3600rpm 0.02m/s ~ 5.6m/s 試験温度 室温~ 250℃ (試料表面温度または液温) 試験方法 ピン・オン・ディスク ボール・オン・ディスク リング・オン・ディスク 摩耗試験機 ピンオンディスク試験機 モニター画面 試験片の一例 ピン リング ボール ディスク ディスク(ウェット) 試験映像 摩耗試験結果の一例 摩耗試験の結果としては、以下のようなことが分かります。 摩擦係数の変化(摩擦係数と時間の関係) 摩耗試験中の摩擦係数の経時変化が分かります。 比摩耗量(ピンとディスクの各素材の摩耗量) 摩耗前後の重量変化や摩耗痕の断面積から摩耗量を数値化(比摩耗量)できます。 ディスク側の摩耗痕のプロファイル 摩耗形態測定で摩耗痕の断面形状の確認や断面積を計算できます(左側:断面形状、右側:断面積計算)。注)形状によっては断面積を計算できない場合があります。 摩耗痕の外観(デジタル顕微鏡) デジタル顕微鏡で拡大した摩耗痕の外観を検査できます(左側:ピン、右側:ディスク)。 ピンオンディスク型摩擦摩耗試験機を用い、摩擦力と摩耗量を測定した試験データの一例を以下のページに掲載しております。 試験の概要 トライボロジー 簡易版 材質による比較 ディスクをSUS304にした場合 ディスクをSUS440Cにした場合 同種金属の場合 ステライトの比較 試験条件による比較 試験条件の比較-1 試験条件の比較-2 表面改質による効果 表面改質の効果-1 表面改質の効果-2 関連データ 総合比摩耗量と摩擦係数の経時変化 結果ご報告までの流れ お客様のご希望に沿ってご相談しながら試験方法を検討致します。事前に機密保持契約のご希望がありましたら、遠慮なくお申し付け下さい。 試験片の製作から摩耗試験までお手伝いさせて頂きます。まずは、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。 ご相談 機密保持契約(希望者の方) お打ち合わせ( 電話、メール、訪問等) お見積(概算) 試験条件の設定 試験片: 形状、材質、熱処理、表面処理、表面粗さ等 試験環境: ドライ、ウェット(水道水、純水、塩水、海水等)、冷却設備、ヒーターの使用 試験条件: 試験数、時間、回転数、面圧等 アウトプット: 摩擦係数、摩耗形態測定、摩耗減量、外観等 お見積(正式版) 試験実施 試験結果のご報告